この記事の目次
残念ながら「コロナ不況」は始まっている
残念なことですが、新型コロナウイルスの世界中への感染拡大で「コロナ不況」とも呼ぶべき不況が世界中で始まっています。
「リーマンショック以来の水準」「東日本大震災以来のマイナス」など、経済指標も相次いで厳しい現状をうつしています。
世の中のムードが一変して、株式市場が悲観的になりつづけているのを見ると、典型的な『世界同時不況』の状況になっていると言える。
出典:NHKニュース
また、実はコロナ・ショック前の消費税増税から日本はすでに不況に突入していた、と報告しているジャーナリストもいます。
在英国際ジャーナリスト
出典:Yahoo!ニュース
日本:すでに不況。日本の実質GDPは消費税率の10%への引き上げで昨年第4四半期に年率7.1%減。
業界を問わず、コロナ倒産が始まっている!
残念ながら新型コロナ関連の倒産・経営破たんによるコロナ倒産がすでに始まっています。
東京商工リサーチによると、4月30日時点で既に109社がコロナ倒産。
インバウンド需要消滅の波をもろにかぶった宿泊業界や、外出自粛の広がりに依る個人消費消滅の波が直撃した飲食業界が多くなっていますが、製造業界・建設業界にまで影響が波及し始めたとのこと。
さらに、このコロナ倒産の動きは全国に広がり始めています。
東京商工リサーチ
東京都がもっとも多くて21件、ついで北海道11件、静岡県7件、兵庫県6件、大阪府と愛知県がともに5件。
この動きには、コロナ・ショック直前の人手不足による経営不振が背景にある、という分析もしています。
東京商工リサーチ
小・零細企業、中小企業は、人手不足や消費増税などで厳しい経営が続いていたところに、「新型コロナ」が重なり、一気に経営不振に陥った企業が目立ってきた。
上場企業も業績予測を下方修正してコロナ不況に備え始めている
また、上場している大手企業でも続々と業績予測の下方修正がはじまっており、大企業もコロナ不況の本格化に備え始めたという状況にあります。
東京商工リサーチ
新型コロナウイルスの影響を主な要因とした業績下方修正は、前回発表(4月22日集計)時で275社だったが、その後1週間で84社が新たに開示し359社に拡大した。業種別では、製造業が最も多く146社(構成比40.6%)と4割を占めた。サプライチェーンの乱れや市場縮小などで業績予想に狂いが生じた。
次いで、サービス業68社(同18.9%)、小売業58社(同16.1%)と、個人消費関連の業種が続き、上位3業種で全体の75.6%を占めた。
コロナ失業に備えるには?
製造業界・サービス業界・小売業界と、コロナ不況の波が広がり続けており、今後、失業率の大幅な上昇も見込まれる状況となってしまいました。
不況となると、勤めている会社の倒産や人員整理など、失業への不安がつきまといます。また、緊急事態宣言による経済活動・営業活動の自粛によって、既に失業者の増加という影響が出始めています。
第一生命経済研究所
宣言が1カ月延長された場合、個人消費が大きく冷え込み、新たな失業者が77万人に増えるといった厳しい予測が出ている。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、6日までの宣言の影響による失業者が36.8万人に上るとみていた。1カ月の延長で約2倍の77.8万人になると分析している。
とはいえ、人間が社会で生活していく以上、停滞していたとしても経済活動はありますから、「不況に強い」と言われている業界・仕事・職種もあります。
それに対して不況の影響を受けやすい「不況に弱い」と言われている業界・仕事・職種もあります。
また、不況期にも重宝されるスキルを身に付けていれば、人員整理の対象になる不安も和らぎますし、いざというときには転職や就職活動にも有利です。
リラックスの時間を持って、不安に支配されないことが大切♪
ただ、今は、色々な思いがグルグルしてしまう時期な上に、家ですごす時間も長くなってしまい、心と身体にストレスがたまりがちです。
家にいてもできる、ちょっとした息抜きを見つけて、冷静に考えられるように心身をリラックスさせる時間を持つことが大切です。
こんなときのリラックスは、不安な気持ちに支配されない時間を持つことです。
ただ、バラエティ番組やおもしろ動画など受け身の気晴らしは、逆効果になることもあります。
なにか自分の手を動かしたり、体を動かしたり、口を動かしたりする時間の方がリラックスには役立ちます。
家でも簡単にできる趣味をまとめてみました。ぜひ、ものは試しと目を通してみてください。
目を通している時間も、リラックスに役立ちます。
不況に弱い業界・仕事
まずは、不況の影響を受けやすい業界・不況に弱い業界から見ていきます。
小売業界・飲食業界(レストラン/居酒屋/アパレルなど)
コロナ・ショックによる、個人消費消滅の直撃を受けてしまった小売業界・飲食業界ですが、もともと不況に強い業界ではありません。
不況になってしまうと、個人の財布に入るお金が少なくなり消費を控えるようになります。
そうすると、レストラン・居酒屋などの外食業界・飲食業界、またアパレルなどの小売業界の売り上げは大幅に落ち込んでいきます。
不況時にはどの家庭も出費を抑える
不況時には、どの家庭でも家計を見直して出費を抑えようとしますが、一番に削ると挙げられた項目1位が外食費(30.5%)、3位:食費(12.7%)、4位:衣料費(11.8%)、7位:化粧品(4.8%)と、小売業・飲食業を直撃する項目が並んでいます。
特に「コロナ不況」での小売業・飲食業は、政府・自治体による外出自粛の要請から、突然のダメージを受けており財務状況が急激に悪化していることが予想されます。
2020年の1月に、こんな状況を想定していた企業はほとんどないと思われる突然の大ダメージです。
じわじわ業績を下げて行ったのではなく、突然の大ダメージを吸収できない企業は倒産を回避できたとしても、なかなか立ち直れないかもしれません。
また、新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見通せない中、一般の消費者による自主的な外出自粛が続くことも予想され、小売業・外食業(飲食業)の業績回復は見通せない状況といえます。
ただ、小売業・外食業(飲食業)は慢性的な人手不足に陥っていました。
求人をかけても応募がなく、人手不足による黒字倒産・黒字閉店という状況に陥ってしまった企業・お店もあるほどです。
財務体質に自信のある小売業界の企業は、採用を強化して人材確保に走る可能性もあります。
巣ごもり需要をとらえた企業は持ちこたえている
ただ、外出自粛の中で家で過ごす「巣ごもり需要」をとらえた、デリバリーありの飲食業などは業績を伸ばしたり、なんとか持ちこたえている状態です。
外出自粛が続くと、財布のヒモがキュッと固くなる時期と、パッと気晴らしがしたくなる時期が、交互にやってくることが予想されています。
店に来ていた消費者向けのサービスを、家に届ける工夫をする企業が、激しい落ち込みを和らげる可能性があります。
運送業界・物流業界(宅配/陸運/海運/航空など)
コロナ・ショックを受けて、現在は陸運業界・個人宅配業界は突然の活況を呈しています。
ですが、本格的な不況になると消費者の財布のヒモが固くなり、小売業界・外食業界が停滞すると、モノの動きも停滞します。
また、企業の出張や観光に出かける人など、人の動きも停滞するため、大きな移動が少なくなって、運送業界も停滞することになります。
特に航空業界・空運業界は深刻なダメージを受けており、先行きがまったく見通せない状況が長く続きそうです。
サービス業界(人材/旅行/観光/ブライダルなど)
現在はコロナ・ショックによって、そもそも人と人の接触を減らす方向に社会も政策も向いており、人と人の接触をビジネスにしてきたサービス業は直撃を受けています。
さらに、今後本格的な不況になると、家計を見直し、出費を抑える家庭が増えます。その際、交際費や娯楽目的の出費が抑えられるため、サービス業の業績は停滞します。
旅行は控えよう、観光は景気が良くなってから、結婚式は規模を押さえて、というマインドの方が増え、サービス業全体の売上が悪化します。
また、不況になると人員整理をする企業は増える一方、新規採用には二の足を踏む企業が増え、人材サービス等の業界も打撃を受けます。
不動産業界(賃貸/中古物件/新築物件など)
不況になると、家を建てる・家を買う・家を借りるといった人が少なくなります。引越し自体がお金のかかることなので、不況時には見合わせる人が多くなるためです。
そのため、不動産業界の収益も悪化します。
また、コロナ・ショックではテレワーク・在宅勤務・リモートワークが広がり、コロナ後でも一部は働き方として残るという予想が大勢を占めています。
BLOGOS
出典:アフターコロナと不動産
既に社員数万人を抱える大企業の経営社の中には、コロナが収束した後も全社員を交代交代に週5日の内2日を在宅勤務にスイッチすると宣言された社長(GMOインターネットグループの代表、熊谷正寿氏)もいらっしゃいます。これは、オフィスを貸している立場からしますと、大問題となります。
そうなると、オフィス面積が今ほど必要なくなりオフィス需要が20%ほども低下すると予測する専門家もいます。
需要が20%も低下したら、不動産業界は大ダメージを被ることになり、業界全体の構造が変わっていくことが予測され、今後、厳しさを増すことが予測される業界のひとつです。
建設業界(住宅/ビル/商業施設建設など)
住宅の建築が少なくなり、民間企業も新規投資を控えることになりますので、商業施設などの建設需要が低下し、建設業界も不況の影響が大きな業界と言えます。
また前述の不動産業界における都心部でのオフィス需要の低下は、建設業界も直撃することが予測されます。
ただし、景気対策として公共工事が盛んになったり、震災復興関連やインフラのメンテナンス・修繕などを多く受注できれば、大きな影響を回避できる可能性もあります。
また、建設業界も慢性的に人手不足に苦しんでいる業界ですので、採用自体は継続的に行われる可能性もあります。
鉄道(JR/私鉄/バスなど)
「いままでの不況」では、不況に強いとされていたJR・私鉄などの鉄道業界ですが、コロナ不況では様相が異なります。
新型コロナウイルスの感染拡大で行動自粛が相次いでおり、鉄道各社の利用状況も軒並み悪化しています。そんな中でも社会インフラとして維持しなくてはならず、マイナスが積み上がっている状況が続いています。
これらが回復するのは、感染拡大が収束まではいかなくても落ち着くまでは難しいと予測され、まだダメージの総量が量りきれないところがあります。
また、JR東日本が大企業の中でも大きなダメージを被るという予測を出している専門家もいます。
とはいえ、社会が正常化に向かう段階に至れば、普段から移動に電車・バスを使っている方が、不況のために徒歩移動に全部変えるということは考えられず、その面からは不況に強い業界だと言えます。
メディア業界(広告業界/出版業界/マスコミなど)
不況になると、個人も企業も出費を見直し余計なコストを抑えようとします。
ヒト・モノの動きが停滞するなか、広告費は企業の出費の見直し対象となり、広告業界の業績に影響が出ます。
出版業界・マスコミなどのメディア業界は、企業から広告を出してもらうことで収益を上げている業界です。
そのため、広告業界の停滞と同時に、出版業界・マスコミなども停滞することになります。
特に、テレビなどを視ていてもCMを目にする機会の多い、製造業界・建築業界・不動産業界に大きな影響の出そうな状況の中、メディア業界への出稿が減ると大ダメージになります。
製造業界(自動車/家電/住宅など)
不況になると、個人の財布のヒモが固くなって、モノを買わなくなるため、製造業も打撃を受けます。
特に金額の大きな、自動車・家電・住宅といったモノから買い控えていくため、自動車メーカー、家電メーカーといった製造業も売り上げが低迷していきます。
自動車や住宅などは、購入することによって付随して売れていくモノが多い裾野の広い製品ですので、広い分野の製造業が不況の影響を大きく受けることになります。
金融業界(銀行・証券会社など)
不況になると、個人・企業ともに財布のヒモが固くなります。
モノの買い控えが置き、おカネの動きも停滞します。借金は控えておこうというマインドも働いて、融資を受ける個人・企業が減って、銀行は収益を上げることができなくなります。
貯蓄をする人は増えますが、貯蓄では銀行の収益にはなります。
また、不況で守りのマインドが強くなって、投資意欲が下がっているところに、株価や債券市場も低迷か不安定になり、証券会社の収益も上がらないことになります。
ただし「保険業界」は、不況期に生活防衛のために保険に興味を持つ方が増えると言われ、不況期も強い業界とされています。
「収益拡大」系のIT業界
IT業界には大きく「収益を拡大させるサービス・システムを提供するIT業界」と「コストを削減できるサービス・システムを提供するIT業界」があります。
不況になると企業も財布のヒモが固くなります。そのため、収益拡大のためのサービス・システムを提供するIT業界への支出は抑えられ、業績が悪化することになります。
広告・プロモーション・コンサルティング・セキュリティなどが収益を拡大させるIT商材・サービスになり、これらを販売しているIT企業が該当します。
また、システムメンテナンス・システム保守契約なども見直しの対象になり、打ち切りになることが多く、保守契約を収益の柱にしているIT企業は苦しくなります。
それに対して、「コストを削減できるサービス・システムを提供するIT業界」の企業は不況に強く、人材確保のために採用を拡大することもあります。
業界・仕事ごとの不況への強さ
ひと口に企業・仕事と言っても、さまざまな業界があり、不況の影響を受けやすい業界と、不況の影響を受けにくい業界があります。
もちろん多かれ少なかれ、どの業界であっても不況の影響は受けます。ただ、業界によって不況から受ける影響の大小が異なる、ということです。
また、不況に強いということは、逆に言うと、好景気の時でも飛びぬけて業績が上がるようなことのない、安定している業界であるとも言えます。
今、お勤めの会社の業界・仕事によっては、なんらかの対策を考えないといけないかもしれません。
ぜひ参考にして「コロナ不況」を乗り切ってください!!!