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新しい生活様式で拡大リスクを下げる?
5月1日の専門家会議の会見で「新しい生活様式」が提言されました。これは、要するにこれまでの「外出自粛!とにかく外出自粛!」という状態から、感染拡大リスクをできるだけ抑えるという前提で「ちょっと緩める」ということのようです。
下の記事に詳しく解説してありますので、良かったら参考にしてみてください。
緩めるとはいえ、まずは感染拡大が収まりつつある地域からのようです。
ただ、感染リスクは残ったままですので、三密を避ける・テレワーク・手洗い・消毒・マスクなどの取り組みは継続するというのが「新しい生活様式」の肝になります。
学校はどうなるの?
となると気になるのが「学校」です。
日本のコロナ対策は2月27日に安倍首相が宣言した「全国一斉休校」から始まった感があって、学校を止めるのがコロナ対策には付き物のようになってしまっています。
また4月23日には富山市で小学校としては初めてのクラスターの発生も報告されていて、「全国一斉休校」の頃にはあった「子どもはリスク低いんじゃ・・・」という声も、聞かれなくなってしまいました。
東京新聞
富山市は23日、新型コロナウイルス感染が確認されている富山市立神明小学校の児童4人と女性教諭1人が、4月上旬の登校日に同じ教室で感染したと判断、クラスター(感染者集団)が発生したとの認識を示した。市は、小学校で発生したクラスターの事例はほかに把握しておらず、異例としている。
休校期間中の登校日の接触でクラスターが発生したとなると、学校もなかなかに気を緩めることは出来なさそうです。
学校の活動再開の必要性を指摘
ただ、専門家会議は「新規感染者数が限定的となった地域」に関しては、「新しい生活様式」としての感染防止対策を充分に取り入れた上で、活動再開のありかたを検討していく必要性を指摘しています。
子供の安全が一番大切ということは大前提としても、学習の遅れや地域格差、ストレスがたまっていることの精神状態への影響などを考えると、安全に再開できるものならそれに越したことはないとも思えます。
学校再開の判断は誰がするの?
それでは実際に学校の活動再開を判断するのは誰なのかと言うと、文部科学省なんじゃないかと思いきや、都道府県や市区町村ごとの判断になります。
全国でも感染拡大状況はそれぞれ違いますので、現場に近く、小学校・中学校・高校の運営主体でもある都道府県や市区町村が判断するというのは、法律上もそうなっていますし、よりベターなことなんじゃないかと思います。
全国のほとんどで臨時休校が続いている学校については、感染のリスクをできるだけ低減した上で再開のあり方について検討する方向性を示しており、今後の流行の状況によって、都道府県や市区町村でも判断できる体制を作っておくべきともしている。
ただ、引用した記事にもありますように「都道府県や市区町村でも判断できる体制を作っておくべき」となっていまして、法律上も国との協議は欠かせず、都道府県や市区町村は難しい判断を迫られると思います。
低下してきたとはいえ、感染リスクがゼロになった訳でない段階での学校再開にならざるを得ず、「ぜったいイヤ!」という親御さんも一定数いらっしゃると思います。
逆に「はやく再開して!」という親御さんもいらっしゃるでしょうし、いずれにしても、みなさんの意見がひとつになることはなさそうな段階での、学校再開判断になりそうです。
教育の専門家も判断の難しさを指摘しています。
東工大リベラルアーツ研究教育院長・上田紀行氏
出典:FNN
学校ですけれども、各自治体の判断に委ねられるというときに結構難しいことになるんじゃないかと思います。学校に子どもたちがいた方が感染リスクが少ないのか、今、公園がものすごい過密になっていて、学校を休んでいるけれども公園に行くのは大丈夫なのか。公園で遊ぶのと学校でちょっと距離をとって授業をやるのとどっちがリスクが少ないのか、子どもたちとって良いのかという…とても高度な判断を迫られることになると思います。
学校の活動は限定的になる「新しい生活様式」
ただ、再開しましても学校の活動は、これまで通りとはいきません。
あくまでも「新しい生活様式」の範囲内、「ニューノーマル」な環境での学校再開になる見通しです。
教室に入る人数を絞ったり、換気を充分にしたりといった工夫は欠かせないものになります。
これから夏場を迎えますし、雨の多い梅雨も来ます。窓を開けっ放しにできるのか? エアコン入れなくて熱中症対策は大丈夫か? などなど、感染対策以外でも難しい場面が多数でてきそうです。
たとえば運動会や学芸会などは親御さんたち大人の方も大勢来られるイベントになりますので、これらは中止か見送りにする学校が多く出るのではないでしょうか。
実施するにしても、かなり工夫をしての開催になると思います。
このあたりが、各自治体・各学校の判断にゆだねられていくことになりますので、先生方の負担は大きなものになりそうです。
どう判断しても、なにがしかの意見は賛否の両方が、モンスターペアレンツでなくても、親御さんから先生に殺到しそうです。
学校の授業だけでは足りなくなることも
また、授業も時間も含めてこれまでに比べると充分には行えなくなることになりますので、家庭での工夫も求められることになります。
学校に求めても、学校に出来ることが限られた状況が続きそうです。
オンライン授業の導入を急ぐ学校も増えそうですが、お子さんのためになんらかの対策を立てないといけないご家庭が増えそうです。
5月4日に発表された「新しい生活様式」の具体例って?
5月4日に専門家会議から、感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」の具体例が発表されました。
学校での活動に関係してきそうなところを太字にしてみました。
1.一人ひとりの基本的感染対策
日々の暮らしの感染対策
- 外出は、マスクを着用する。遊びにいくなら屋内より屋外を選ぶ。
- 人との間隔は、できるだけ2m (最低1m)空ける。
- 会話をする際は、可能な限り対面を避ける。
- 家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる。
- 手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗う(手指消毒業の使用も可)。
※高齢者や特病のあるような重症化リスクの高い人と会う際には、体調管理をより厳重にする。
移動に関する感染対策
- 感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える。
- 帰省や旅行はひかえめに。出張はやむを得ない場合に。
- 発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモしたり、スマホの移動履歴をオンにする。
- 地域の感染状況に注意する。
2.日常生活を営む上での基本的生活様式
- まめに手洗い・手指消毒
- 咳エチケットの徹底
- こまめに換気
- 身体的距離の確保
- 「3密」の回避(密集、密接、密閉)
- 毎朝家族で体温測定、健康チェック。発熱又は風邪の症状がある場合はムリせず自宅で療養
- 屋内や会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用
3.日常生活の各場面別の生活様式
買い物
- 通販も利用
- 1人または少人数ですいた時間に
- 電子決済の利用
- 計画をたてて素早く済ます
- サンプルなど展示品への接触は控えめに
- レジに並ぶときは、前後にスペース
娯楽、スポーツ等
- 公園はすいた時問、場所を選ぶ
- 筋トレやヨガは自宅で動画を活用
- ジョギングは少人数で
- すれ違うときは距離をとるマナー
- 予約制を利用してゆったりと
- 狭い部屋での長居は無用
- 歌や応援は、十分な距離かオンライン
公共交通機関の利用
- 会話は控えめに
- 混んでいる時間帯は避けて
- 徒歩や自転車利用も併用する
食事
- 持ち帰りや出前、デリバリーも
- 屋外空間で気持ちよく
- 大皿は避けて、料理は個々に
- 対面ではなく横並びで座ろう
- 料理に集中、おしゃべりは控えめに
- お酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けて
冠婚葬祭などの親族行事
- 多人数での会食は避けて
- 発熱や風邪の症状がある場合は参加しない
4.働き方の新しいスタイル
- テレワークやローテーション勤務
- 時差通動でゆったりと
- オフィスはひろびろと
- 会議はオンライン
- 名刺交換はオンライン
- 対面での打合せは換気とマスク