リーマン時の求人倍率の推移でコロナ不況の就職・転職はどうなる?

有効求人倍率の推移
コロナ不況が現実味を帯びてきました。既に大きな影響が出ている方がたくさんいらっしゃいます。リーマンショック以来と言われますが、実際にリーマンショックの際に、就職・転職がどうなっていたのか、当時の有効求人倍率の推移を見てみて、社会人の「備え」の参考にしてください。
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この記事の目次

現在も進行中の「コロナ・ショック」。感染拡大がいつ止まるのか、まだまだ見通せない状況ですが、経済に大きな影響が出るのは間違いありません。

その際によく耳にするのが『リーマン・ショック以来』というワードです。

リーマン・ショックって?

2008年9月15日にアメリカの投資銀行「リーマン・ブラザーズ」の経営破綻から連鎖的に世界規模で発生した金融危機のことを言います。日本も世界的な消費の冷え込みの影響から、大幅な景気後退になりました。

いわゆる『派遣切り』が発生したのもリーマン・ショックの際のことで、自動車・電機メーカーなどの製造業での大規模な派遣契約の打ち切り、雇い止めが広がり大きな問題になりました。

リーマン・ショックから既に10年以上が経っており、記憶があやふやになってしまっている方もいらっしゃるかもしれませんが、派遣切りにあった人たちのために東京・日比谷公園で「年越し派遣村」が開かれたのも、リーマン・ショックが起きた2008年から2009年にかけてのことです。

社会人全体に大きな影響を受けたのがリーマン・ショックでした。

就職・転職にも大きな影響が出たリーマン・ショック

2010年の新卒大学生の就職率60.8%(文部科学省「学校基本調査」/2019年は78.0%)まで落ち込み、全体の有効求人倍率も2009年に0.47倍(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)と大きく落ち込みました。

有効求人倍率とは、求職者1人に対して何人分の求人があったかを示す数値で、倍率が1.0のときに、1人に1つの募集があるということになる数値です。

簡単に言うと、有効求人倍率が1.0を下回ると社会人も新卒の大学生も就職・転職しにくくなります。

有効求人倍率の回復には6年かかった

2008年から始まったリーマン・ショックの影響で、翌2009年には0.47倍となった有効求人倍率が、1.0以上に回復するのにどのくらいかかったかというと、実に6年もかかっています。

リーマンショック後の有効求人倍率の推移

その間、徐々に回復傾向は続いていましたが、有効求人倍率が1.0以下ということは「就職したい!」と思う人たちの中でも、職に就けない人がいる状況が続いていたということです。

昨年2019年の有効求人倍率が1.6倍ということでも分かるように、近年の人手不足や売り手市場といわれていた状況からは想像しにくいですが、今回の「コロナ・ショック」後も、就職難がやってくるのは、ほぼ間違いないと思われます。

派遣業界の「5月危機」って?

リーマン・ショックの際にも大きな社会問題になった派遣切り雇い止めですが、「5月危機」ということが言われはじめました。

3ヶ月ごとの四半期で契約更新となる派遣雇用が多く、5月末に更新を迎える派遣社員の方が10万人以上おり、このタイミングで契約が更新されるかどうか、、、というのが派遣の「5月危機」の内容です。

出典:日経新聞 4月19日/派遣雇用、数十万人減も

また、様々な業界でも「トヨタ・ホンダ・日産など自動車メーカーの、5月危機」(経済ジャーナリスト 井上久男)、「エンタメ業界の5月危機」(日本経済新聞 3月28日/ぴあ)、「ファッション業界の5月危機」(WWD JAPAN)と、『5月危機』を懸念する声が高まっています。

派遣切り・雇い止めの受け皿がない?

リーマンショック

リーマン・ショック時には、製造業での派遣切り・雇い止めが社会問題になり、1年間で約30万人の派遣の方が職を失いました。

また、派遣に限らず全体では失業者の数が、リーマンショック前と比較して100万人規模で増え、364万人に達しました。

ただ、この時は非製造業が受け皿になることもありました。

ですが、今回のコロナ・ショックでは非製造業も大きなダメージを受けていて、これを期待することができません。

そのため、リーマン・ショック以上に雇用が失われてしまうのではないかと、予測されています。(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 副所長 天瀬光二さん)

雇用の優等生は?

現在、感染対策の徹底で大変な環境にある介護業界ですが、雇用という面からみればとても安定しています

介護業界に興味のない方もいらっしゃるかと思いますが、参考までにご紹介しておきます。

リーマン・ショックの際にも雇用の受け皿になり、次の就職先が見つかるまで一時的に介護業界にお世話になったという方もいらっしゃいました。

その理由は、経済全体が悪化しても介護が必要な方が減るわけではないので、需要が減ることがないということです。

高齢化の進展に伴って、今後ますます増加傾向にあることが間違いない介護業界です。

高齢化

出典:内閣府・高齢化の推移と将来推計

高齢化率は今後ますます上昇傾向にあって、介護を必要とする方の絶対数が増え続けます。

職種は「色々」ある

ひと口に「介護業界」と言っても、その職種には「色々」あります。

ほんとうに色々あります。

需要(介護の必要な方)が増え続ける介護業界では常に人手不足で、ベッドのシーツを替えてくれる補助員でもありがたいという施設もあります。

また、デイケアなど通所で介護を受ける方のための車両が必要で、介護送迎ドライバーも介護業界では必要な職種です。

馴染がないとあまり想像できませんが、介護業界でも様々な働き方が出来ます。

また、介護業界ではキャリアパスも整備されていっており、介護士やケアマネージャー、生活相談員と、スキルアップキャリアアップ給与アップしていくこともできます。

たとえばプログラミング業界への転職も

間違いのない成長産業である介護業界です。その周辺部や関連した産業も、これから成長が期待されます。

たとえばプログラマになりたくて、プログラミングの勉強をしていたけれども不況による就職難で、就職できなかったとき。

一旦、介護業界に身を置いたとしても、景気が回復してきたときには経験を活かして、介護関連のIoT機器のプログラマとして転職を考えることが出来るでしょう。

そのほかにも、介護業界自体が成長を続けますので、経験を活かした転職様々な分野で考えることが出来ます。

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